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私的・すてき人

地域ラジオのチカラで泉大津の街を元気にしたい!

File.154

「FMいずみおおつ」局長

にしだ ひでお

西田 秀雄さん [大阪府泉大津市在住]

公式サイト: https://fmizumiotsu.jp/

プロフィール

1956年 泉大津市出身
1979年 信州大学卒業 2年後に小学校教師に
1988年 「泉大津アルザスサッカークラブ」を起ち上げる
2017年 市立浜小学校の校長を最後に退職 12月24日「FMいずみおおつ」開局に伴い局長に

2ヶ月前、泉大津に小さなFMラジオ局が誕生した。
だが、なぜ今“ラジオ”なのか――
 
「ラジオにしかできない事がある。携帯さえあれば、スタッフが現地から目の前で起きてるニュースをリアルタイムで実況できるんです。例えば事故で渋滞してるから迂回して!とか、今からタイムセール始まるよとか。映像が無い分、編集もいらないし、泉大津限定だからきめ細かい情報を発信できる。今こそ地域ラジオの力を発揮する時だと思うんです」
 
小学校の校長先生から一転、FMラジオの局長になったという変わりダネ。
さらに番組のパーソナリティまで務めてしまうという思わぬ展開に「もともとゼロからのスタートっていうのが好きなんですよね(笑) 新しいことにチャレンジする、そのワクワク感がたまらない。退職後の時間を、こんな刺激に満ちた場所で送れるなんて楽しいなあと」
 
第二の人生を、あえて“ラジオ”に賭けた彼の思いとは…

初めての営業に大苦戦

36年間教壇に立ってきた。
 
「子どもたちと過ごした時間は、とっても楽しかったし財産になりました。でも退職したら、違う道を歩きたいとも思っていたんです。もうやり切った!という感じかな。もう一度大学時代を過ごした信州にでも行って、これからしたいことを見つけようかなと」
 
そんな時に舞い込んできたのが、「FMラジオを開局するから、手を貸してもらえないか」という話だった。
 
今までとは全くかけ離れた、マスコミの世界――それがまた彼の心を揺さぶる。
「今とは違う場所に行く、その挑戦する感じが大好きなんですね。もともとギターをやっていて音楽が好きだったし、放送業界ってどんなとこなんやろうっていう興味で、ワクワクしていました」
 
だが、地域放送局の現実はキビシい。そのほとんどが経営的に苦戦しているといっても過言ではないだろう。
かつて地元の「泉大津ケーブルテレビ」が開局後たった数年でピンチにおちいり、J:COMに吸収されたこともまだ記憶に新しい。
すべてがスマホで事足りるインターネット全盛の時代に、あえてラジオで勝負する、その意義とは何なのか――
 
 
「東日本大震災の時、地域のFMから流れた最新情報や音楽に多くの人が救われたと聞いたことがあります。ここにもそんなメディアがあれば、災害の時に市民を守ることができる。それに地元密着だからこそ、リアルに市民のみなさんともつながれる。ラジオじゃないと出来ない、ラジオやからこそできる…そんなメディアになりたいと思うんです」
 
「新しいラジオの次代を作ろう」そう決めてからは、怒とうのように忙しい日々がスタートすることに。
 
「スタッフのほとんどが素人だから、まさに手探り状態。成功してる山口のFMラジオ局にノウハウを学びながら、営業、加盟店探し、番組制作…あまりにもたくさんの仕事が押し寄せて、ほんまに間に合うんかなと思ったくらい。今までまったく経験のない営業で、ケンもほろろに断られることもしょっちゅうでした」

生放送だからこその強みを活かす

それでもひとつずつ課題をクリアしながら、3ヶ月かけてミキシング、録音、アナウンス技術、発声、CM制作…とスタッフ全員がさまざまな研修をこなし、昨年の12月24日ついに開局の日を迎える。
 
「初めて私たちの声が電波にのった時は、もうみんな大感激でした。リスナーの方からも『聞こえてるで!』って連絡をもらったり。その一方でこれから365日放送し続けていかなあかんのやなと、改めて責任の重さを感じたんです」
 
朝7時から夜9時まで生放送というのも、ここならではの強みのひとつ。
ナマだからこそ、現地から入って来るリポートや情報にも、リアルに応えていける。
 
「この2ヶ月ほんとにアッという間でした。正直いつも本当にこれでいいのかと自問自答してる毎日。うちはオールディレクター制度なので、全員が街へ出て営業も取材も企画も何もかもこなしてるんです。大変やけどやりがいもある。これからどんどん番組のクオリティを上げて、もっとたくさんの人に聞いてもらえるようにしたいね」
 
 
教師という職業がら、しゃべることが得意な彼の担当する土曜夜の「バックトゥーザ・昭和」はかなりの人気番組。
新幹線開通、東京オリンピック、高度成長…さまざまな昭和のドラマを軽妙なおしゃべりで振り返りながら、グループサウンズ、フォーク…といった思い出の曲をかけるこのコーナーは、昭和世代にはたまらないひとときになっている。
 
「いつか泉大津になくてはならないメディアに、育てていきたい。そしてリスナーと一緒にこの街を盛り上げて、活気あふれる元気な場所にしていきたいんです」
 
 
そしていつかまた「大好きな子どもたちとかかわる時間が持てたらいいなあ」と笑顔。ラジオが軌道に乗って少し余裕が出来たら、30年前に自らクラスの子どもたちを集めて作った少年サッカーチーム「泉大津アルザスサッカークラブ」で「また子どもたちとボールを追いかけたいんです」
 
 

2018/2/22 取材・文/花井奈穂子 写真/ 小田原大輔