私的・すてき人

どんな時も楽しく生きる、それが最高の幸せ!

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スイーツデコ作家

たけだ あきこ

武田 章子さん [大阪府堺市在住]

公式サイト: http://www.decochocola-ta.com/

プロフィール

1971年 富山県出身
1993年 エアロビックのインストラクターとして大阪へ
2008年 スイーツデコに出会う 現在は泉州を中心にスイーツデコ教室を多く主宰

いちばん楽しいことを仕事にする――それがどんなに幸せなことか、彼女は教えてくれる。
「人生をいつも楽しんでいたいんですよね。どんな時も好きなことをやって暮らしていたい。生活のためだけにギチギチで仕事をするのは、ちょっと違う。たとえそれでぜいたくに暮らせなかったとしても、楽しく生きていれば大丈夫!って感じ(笑)」
 
人によって大事なものはそれぞれ違う。肩書きや名声だったり、仕事やお金だったり… でも彼女にとってその基準は何より「楽しい」こと、「オモシロイ」こと。
 
その思いがギッシリ詰まった作品たちは、彼女と同じようにどこか楽し気で、見ている私たちを少し幸せにしてくれる。
 
 

自由に人生を楽しみたい

一見古い自宅に一歩入ってみると、驚きの武田ワールドが広がる。
「入居してすぐ、DIYしちゃったんです。家主さんに古いから好きなようにしていいよって言ってもらったので、木やタイルを買ってきて、ペンキも塗って全部ひとりで作っちゃいました」
 
キッチンやカウンター、壁や机まで全部が手作り。多分古びていただろう、もとの部屋をカフェのようなオシャレな場所に大変身させてしまった。
「なんにも無いところから、何かを作るのが大好きなんです。DIYも楽しくて楽しくて!」
 
なんだかいつも楽しそうだが、ここに越してきたのは意外や「離婚したから」。今はシングルマザーとして、ふたりの子どもを育てる。
 
「本当はひとりで子どもを育てるって大変なこと。みんないろんな事を我慢して必死に頑張るんだろうけど、私はそういうタイプじゃないんです(笑) とにかく自由に好きなことをして、人生を楽しみたい。大好きなスイーツデコを仕事にして、暮らしていくことが私の幸せ。裕福ではないかもしれないけど、何より心がトキメけばそれでいい」
 
 
もともとはモノづくりとは全く関係のない、エアロビクスのインストラクターをしていた。
 
「高校卒業したら何しようと思ってた時に、友だちがエアロビの専門学校に行くっていいだして。働くのもイヤやし、それなら私も行こかなみたいな、軽いノリで入学したんです(笑) でもやってみたら、これが楽しい。続けるうちに、今度はフリーのインストラクターになろうと思って。それなら大阪や!と直感で思って、出てきちゃったんです」
 
 

ママ友のひと言から始まったスイーツデコ教室

スイーツデコに出会ったのは、10年くらい前。まだ幼かった娘さんに、100均で買った紙粘土でドーナツを作ったのが始まりだ。
 
「娘が喜ぶのを見て、私の方がハマってしまったんです。樹脂粘土を買ってきて、本を見ながらあれこれ作るのが面白くて。で、ある時マカロンのストラップを作って娘のカバンにつけたら、ママ友が『可愛い!どうやって作るの?』っていってくれたんです。全部独学なんですけど、それから少しづつみんなに教えるようになりました」
 
スイーツデコとは樹脂粘土にアクリル絵具で色をつけ、質感まで本物そっくりのスイーツを作ること。
 
スイーツデコ人気に火が付いたのは、2005年の映画「マリーアントワネット」。物語のなかに登場するマカロンを樹脂で作りストラップにして、宣伝のためノベルティとして配布したことがきっかけなんだとか。
 
「出来上がった時に生徒さんが『可愛い!』ってよろこんでくれるのが、なによりうれしいんです。ヤッタァ!ってテンションが上がる。その言葉を聞きたくて、次は何をしよう、どんなデザインにしようって一日中いつもどこかで考えてるんですよね」
 
「マルシェや各地の催しにも参加してるんですけど、これからはもっといろんな作家さんともコラボして、新しいものを創っていきたい。私にしかできない作品をたくさん生みだせたらいいなと」
 
そして夜は今も、エアロビの教室を主宰する。「どっちも私にとっては楽しくて、どちらかひとつにはしぼれないんです。教えることが天職なのかも。大好きなことが仕事になってる…ほんとにこんな幸せはないなあと思うんです」
 
 

2018/4/4 取材・文/花井奈穂子 写真/ 小田原大輔