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私的・すてき人

クラシックを聞くことで感性を磨き、心にゆとりをもってもらう機会になれたら

File.007

ピアニスト

さおした かずみ

竿下 和美さん [大阪府泉大津市在住]

公式サイト: http://saoshitapiano.jimdo.com/

プロフィール

5歳より大阪音楽大学付属学園にて音楽の基礎を学ぶ。
京都市立堀川高校音楽科(現在京都市立音楽高校)、京都市立芸術大学音楽学部ピアノ専修卒業。
1992年ピアノ教育連盟ピアノオーディション奨励賞、京都ピアノコンクール第2位。
1999年長江杯国際音楽コンクールピアノ部門第1位。
2002年堺ピアノコンクール奨励賞。
2004年フランス音楽コンクール入賞など数々の賞を受賞。
2003年泉の森ホールオーディション、2004年奈良県秋篠音楽堂”ユングムジカ”オーディション合格。

現在は奈良県秋篠音楽堂、泉大津市あすとホール専属ピアニストとしの活動や関西を中心にコンサート活動を展開。日本ヒーリング音楽協会メンバーとしてNPO活動にも参加している。

ベートベーン、ショパン、モーツァルト。偉大な作曲家たちが作ったクラシック音楽を誰でも一度は聴いたことがおありでしょう。
でも、テレビやCDではなくコンサートホールで生の演奏を聴き、その迫力を実際に感じたことがある人は意外と少ないのでは?
今回は泉大津在住の若手実力派ピアニスト、竿下和美さんに音楽の楽しさ、素晴らしさについてお話をお聞きしました。

ピアノをはじめたきっかけは何ですか?

「5歳の頃、当時住んでいた京田辺市(京都府)の市民会館で行われた、有名なピアニスト「ハンカヤ」さ んのコンサートに、母が連れていってくれたのがきっかけですね」

その澄みきったピアノの音色を聴いた竿下さんは5歳という年齢にもかかわらず感動のあまり涙がとまらなかったそうです。
芸術を理解する「感性」というものは年齢なんて関係ないんですね。いや、むしろ幼い子どもだったからこそ素直に感動できたのかもしれません。
それ以来、ピアノの魅力にとりつかれた竿下さんはピアノスクールに通いだし、日々ピアノの練習にあけくれます。

「でも正直に言うと今までに2回ほど(小学4年の頃と、高校1年の時に)もうやめたいって思ったこともあ りましたよ(笑)」

違うスクールに通いだしたり、レベルの高いピアニスト候補が揃う高校の音楽科に入学したりする度に、自分の未熟さを痛感し目の前に突然高い壁が現れた思いだったといいます。
でも、そんな時にお母さんが竿下さんを叱咤激励し、そんな壁を乗り越えることができたそうです。

「ここまで続けて来られたのは母のおかげなんです」

竿下さんはそう言うと、ご自分の4ヶ月の愛娘をそっと見つめながらにっこり笑いました。

ピアノを続けてきて良かったことはなんですか?

そもそも、数ある楽器の中でなぜピアノなんでしょう?

「ハンカヤさんのピアノに感動したということももちろんあるんですが、ピアノそのものの特性というかそ れが好きなんです」

竿下さんによるとピアノは歌に近く、とても奥が深い。指の1本1本がまるで歌い手のように動くことで何百色の音色を無限に奏でることができるそうです。

「確かに他の楽器にもそれぞれ良いところがありますが、ピアノはまるでオーケストラのような多彩な音 色をそれだけで表現できるという素晴らしさがあるんです」

ではピアノを続けてきて良かったなと思うことはなんですか?

「なによりも自分の演奏で皆さんが感動してくれるという喜びです。私が5歳の時に感動した気持ちを、 今度は私自身が誰かに与えられるなんてとても嬉しいことなんです」

芸術に限らずスポーツでもこういう連鎖はよくみかけます。やはりジャンルは違えど「いいもの」にあるパワーは世代を繋いでいくものなんですね。
逆に、ピアノをしていて困ったことなんてありますか?

「あります!長期の旅行に行けないんです。私は毎日3~4時間練習するんですが、もし一週間ピアノに 触らないとしたら、微妙なタッチを取り戻すのに1ヶ月はかかってしまうんです」

わかります!僕も1ヶ月カラオケに行かなかったらすごく音痴になってしまいました。て、全然違いますね。ごめんなさい・・・。

今後の活動について

残念ながら泉州は音楽に対しての理解がまだまだ低いそうです。ピアノを芸術として見ていないというか、音楽自体の素晴らしさや必要性を認識していないのかもしれません。
お仲間の音楽家さんたちが集まってコンサートをしようとしても、ホールや施設が非協力的で困ったことも多々あるとか。
そんな中、地元の泉大津にある「あすとホール」はとても協力的で、今では定期的にコンサートも開いているとのこと。

「あすとホールさんは、とにかくなんでもチャレンジさせてくれるんです。だから泉州でしか聴けないような コンサートもどんどんしていくつもりです」

いい出会いがあった訳ですね。で、チャレンジってなんですか?

「例えばリクエストコンサート。これは来場された方々に、私のレパートリー約100曲の中から好きな曲を 紙に書いてリクエストしてもらうんです。で、投票の多かった上位10曲を演奏するんです。するとご自分 達が聴きたい曲が流れる訳ですからとても喜んでもらえています」

クラシックのコンサートと言えば、知ってる曲より知らない曲の方が多いので、どうしても眠たくなっちゃいます。これなら楽しく最後まで演奏を聴けそうですね。

「あ、でも最近の私のオススメはヒーリングコンサートなんですよ。これってどんどん寝てもらうためのコン サートなんです。いい演奏をしているとα波が出ていて、本当は聴いていると20分くらいで眠たくなっちゃ うものなんです。だからお眠りになる方が出てくると、あ、今日はいい演奏ができてるなと思うんです。
ただイビキはちょっと困りますが(笑)」

それは画期的ですね!そんなコンサートはちょっと聞いたことがありません。
なるほどこれが「泉州でしか聴けないコンサート」なんですね。
他にも病院や老人ホームなどでのリラクゼーションコンサートや、学校や公民館などでの音楽鑑賞会、
そしてチャリティーコンサートなども精力的にされているとのこと。
産婦人科での音楽会なんて妊婦さんの胎教によさそうですね。泉州でもひっぱりだこなのでは?

「それが残念ながら、お呼びがかかるのは大阪市内ばかりなんです。泉州ではあまり必要性を感じてい ただけなくて・・・」

うーん、わかる気がします。泉州っていいところなんですけど、保守的というか「新しいこと」に対してほんと否定的ですよね。キットプレスもそれでどれだけ泣いたことか・・・。

「でも、だんだん理解してくれるホールや一般の方も増えてきたので、これからまだまだ泉州でも音楽の 輪が広がっていくと思うんです。私がその先駆けになるためにも、地域密着でこれからもがんばっていき ます」

素晴らしい!そのポジティブな考え方、本当に頭が下がります。

最後に泉州の人たちに向けて何かメッセージを

「とにかく一度コンサートに来てみてください。そして生のクラシックに触れてみてください。特に今の子ど も達は感動することが少ないと思うんです。クラシックを聞くことで感性を磨き、心にゆとりをもってもらう 機会になれたらと思います」

取材中、終始にこやかにお話くださった竿下さんは優しいお母さんのお顔と、強い意志を持った芸術家のお顔を持つ、とってもカッコイイ女性でした。
キットプレスとしても今後、微力ながらも竿下さんの活動を応援していきたいと思います。
読者の皆さんもぜひ竿下さんのコンサートに足を運んでみましょう!

コンサートの予定はこちら >>> http://db.zaq.ne.jp/asp/bbs/ioctv_daaat605_1

 

 

注)文中、人名の「ハンカヤ」氏のお名前が変換できませんでした。漢字では「韓伽」の次の文字は「椰」という文字の木偏が人偏になった文字です。

2005/06/30 取材・撮影・文/小田原大輔