私的・すてき人

いっつも社員に助けられてきた

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株式会社サカイ引越センター 代表取締役社長

たじま はるこ

田島 治子さん [大阪府堺市在住]

公式サイト: http://www.hikkoshi-sakai.co.jp/

プロフィール

1941年生まれ、広島県生口島出身
24歳で運送業を営む田島憲一郎氏と結婚
30歳の時に独立、今のサカイへの第一歩を踏み出す

べんきょうしまっせ、引越のサカイ! 次から次へと、オモロイCMを繰り出すサカイの女社長がこの人。
「ひっこしは引越のサカイ」に始まって、どのシリーズもそのアクの強さとインパクトで視聴者をワシ掴み。とにかく斬新なアイデアを、オモロイものを・・・という姿勢がこの会社の牽引力。「主人“考える人”、私“実行する人”。私は働いてばっかりや・・・・」と笑う治子さん、だがそのバイタリティは並みじゃない。

アイデア戦略で勝ち組に

「主人と二人三脚で働いてきました」
反骨精神たっぷりの現会長、憲一郎さんは親が右といえば左。
「もう、なんて人なんだろうって。嫁として気をつかいましたが、ご両親は私をかわいがってくれ、商売のノウハウをいろいろと教えてくれました」

6年後、ふたりはトラック2台をもらい独立。そこで「運送業だけでは先が見えてる」と“引越し”に目をつけたのが“考える人”憲一郎さん。当時泉北ニュータウンの開発がスタートし、人が動くことを見込んでのまさに先見の明。そしてその日から社長としてがむしゃらに陣頭指揮をとったのが、“働く人”の彼女だったのだ。

資本がなくてもサカイにあったもの。それがまさに“アイデア”戦略。
まず、今では当たり前になった「ダンボールの提供」も業界初。「自分で梱包してもらう分、安くなるゆうわけです」
そしてキルティングパットを使った簡易梱包、窓から搬入できるスカイポーターの導入。さらにタンスを中身まるごと梱包して運んでしまうという、目からウロコのアイデア。
次から次へと“業界初”を繰り出すアイデアマンと、戦闘隊長。こんな二人三脚の夫婦もあるんやなあ・・・。

きっちりバトンを渡したい

「贅沢したいとも思わないし、イイ服着たいとも思わない」というとおり、素朴な笑顔が魅力。そういえばこの会社“質実剛健”、エレベーターもついてないのにはビックリ。
難産の末に大証2部に上場した後、今年東証2部にも上場し全国展開も成功。土日返上での仕事、4人の子育て、家事・・・とパワフルに走り続けてきた彼女の夢は「きっちりバトンタッチすること。2千人もの従業員や家族を守る責任を、息子たちに引き継いでもらわんと」

サカイとともに走りっぱなし、「ほんとに仕事ばっかり」だった彼女も「こないだ孫と、初めてディズニーランドに行ってきた!」とニッコリ。「これからはちょっと遊ばんとねえ・・・」といいながらも「海外への挑戦」という夢も。まだまだ一線での活躍は続きそうだ。

2006/07/06 取材・文/花井奈穂子 撮影/小田原大輔