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私的・すてき人

お茶は人と人をつなぐ架け橋

File.024

株式会社つぼ市製茶本舗 代表取締役社長

たにもと じゅんいち

谷本 順一さん [大阪府高石市在住]

公式サイト: http://www.tsuboichi.co.jp/

プロフィール

1958年高石市出身
関西大学経済学部卒業後、家業である「つぼ市」に
2006年5代目社長に就任 茶鑑定士6段の資格を持つ

「お茶くみ」という言葉は気に入らない。
「お茶は相手をもてなすために、亭主が入れるもの。だから訪ねてくれた方には、必ず私自身がいれます」
出されたお茶はまったりと 美味い煎茶。暑い日、寒い日、その時々にあわせ相手の顔を見て、一番喜んでもらえるお茶を出す。コミュニケーションのC、ホスピタリティ(もてなし)のH、アソシエーション(結びつく)のAで「CHA」。
150年続く老舗を受け継ぐ頭首は、「CHA」への熱い思いでいっぱいだ。

お茶の時間が家族をつなぐ

「ひとつの部屋にみんなが集まってお茶を楽しむ。今はそれがないでしょ。一緒に話しながら飲むだけで、家族がつながる。だからお茶って大事なんです」
そう、日本に“お茶の間”があった頃、たしかに「お茶の時間」というのがあった。
「お茶いれたよ」という声で家族がいっせいに集まってくる、そんなひと時。
だが子どもは塾、親は共働き・・・という家庭が増えた今、ご飯さえバラバラで一人ぼっちなんて光景は珍しくもなんともない。
次から次へと起こるいじめ、不登校、自殺・・・「毎日お茶しながら、ゆっくり向き合えば色んなことが見えてくる。子どもの出してるSOSのサインにだって、気がつくかもしれない。難しい教育なんかするより、ずっと大事なことやと思います」
だから会社だけでなく、家でも子どもたちにお茶を入れるのは谷本さんの役目なんだとか。

一杯のお茶で社会貢献を

ここ数年、地元の高石や堺でも起きる虐待事件。「僕らにも何かできへんやろか?子どもらを救う手伝いができんやろか?」――そう考えた彼は、社員とともに知恵をしぼって会議、会議。そこで生まれたのが、同社の麦茶のパッケージに「児童虐待防止協会」のホットラインの番号とメッセージを入れるというアイデアだった。「若いお母さんたちが手にする麦茶。これやったら見てくれるかもしれん・・・。それに子どもたちの目にも触れやすい」。
思いは通じて、「麦茶を見た人からほんとに電話がかかってきたんですよ。嬉しかったなあ」とニッコリ。

夢は日本茶の素晴らしさを世界中に広めること。「日本ではだんだん飲まれなくなってきてるけど、カテキンにビタミン、アミノ酸・・・日本茶ほど体にいい飲み物はないんです。だから今度はアメリカやアジア、いろんな国の人たちにその魅力をわかってもらいたいんですわ」
たかがお茶、されどお茶。う~ん、ペットボトルにばかり頼ってないで、今日からうちも「お茶の時間」を作らねば・・・。

2006/12/06 取材・文/花井奈穂子 撮影/小田原大輔