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私的・すてき人

人の心を揺さぶる、ホンモノの“歌い人”に

File.036

「全日本カラオケグランプリ」優勝

かねもと ともこ

金本 智子さん [大阪府堺市在住]

公式サイト:

プロフィール

1978年 大阪府出身
常磐会短大卒業後、新桧尾台幼稚園勤務
2007年 第一興商主催「全日本カラオケグランプリ」で2万5千人もの中から優勝、女王の座に。
ご主人とともに、鳳で創作料理と居酒屋の店「Jambo家」も営む 

ここ数年「ヒトカラ」ってのが流行ってるらしい。
ひとりでカラオケ、通称「ヒトカラー」が増殖中。
まさにその「ヒトカラ」から、新しい人生のチケットを手に入れたのがこの人だ。
では、その運命の日――大会直前のドキドキから、どん底まで急降下していく恐怖、そして勝ちとった涙の勝利へ……と、ジェットコースターさながら感激の「グランプリファイナル」の1日を紹介――。

無欲の栄冠

「こんなん、まるでバンジージャンプみたいやん……」
11月23日「中野サンプラザホール」での決勝戦。着いてビックリ、そこは2000もの客席がとり巻く震えるほどビッグなステージ。さらに追い討ちをかけたのが、地区を勝ち抜いてきた18人の挑戦者たちの堂々たる歌いっぷり…。「もうドン底。緊張と怖さで、自分が何してるか全然わかりませんでした」。
前日夜中までかかったリハーサルでは、「私ひとりイケテない・・・みんなメチャメチャうまい…」とさらにレールを急降下。

「もう帰りたい、出たくない」と落ちるトコまで落ちたところで、スタッフの一人が「ボクは金本さんの声がいちばん好き!っていってくれたんです。単純やから、もうそれで勇気100倍!」
再びギュイ~ンとアップしたテンションそのままに、アンジェラ・アキの「This Love」を
熱唱。気がつくとなんと最後の6人に選ばれ、ファイナルに進出していた。

「もともと全国へ行けるなんて思ってもいなかった。ここまで来たのが奇跡!」と、ラストは中村中の「友達の詩」を独得のハスキーボイスで歌い上げ、そのあふれる情感に会場からは拍手とどよめきが……。
平尾正晃ら並みいる審査員から「表現力の豊かさ」を買われ、女王に輝いた瞬間はご主人とふたりもう号泣!なんと2万5千人の応募者の頂点に立ったのだ。まさに“無欲”の栄冠とはこのことかも。

大事なのは夢を見つづける力

思えば“歌”はいつもお守りのように心のなかにあった。
いつか、いつか……でもその夢をずっと諦めていた自分がいたのだ。

2歳の時にはもう、マイクをにぎって松村和子の「帰ってこいよ」を熱唱していたという、根っからの歌好き。中学校でもシンセサイザー部に入り、文化祭で歌ったドリカムの「未来予想図Ⅱ」は、客席を巻き込んでの大盛り上がり。先生からも大絶賛を受け「歌手になりたい」の想いはどんどん大きくなっていく。
だが高1で挑戦した「NHKのど自慢」では、意外やカネ2つ。すっかりヘコんで、いったんはもう忘れようとした夢だった。

短大卒業後、幼稚園の先生として過ごす日々は充実していたが、「やっぱり歌いたい」という想いは心から離れない。
25歳で結婚、夫婦で店を立ち上げる忙しさの中でも「歌いたい!」はドンドン強くなるばかり。

そんな時背中を押したのが「やりたいことを諦める必要はない」というご主人の一言。
さっそく「ヒトカラ」に参戦!週に何度も通いつめ、とにかく一度ステージで歌ってみたいと、手はじめに応募してみたのがこの大会だった。
ところがまさか、まさかの勢いで関西予選を2位通過、いきなり全国への、そして夢へのドアが開くことになる。
「ほんとはこんな賞もらっても、自信が無いんです。とにかくもっともっと勉強してライブで歌いたい。80歳になってもずっと歌っていたい。で、いつか人の心を揺さぶるホンモノの“歌い人”になれたらいいなと」。

一度は忘れようとした願いが、今自分の手の中にある。「思い続ければ、必ずいつか夢は叶う……」今ならほんとにそう思える。

2007/12/12 取材・文/花井奈穂子 撮影/小田原大輔