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私的・すてき人

堺の“顔”っていってもらえるように、少女歌劇団を育てていきたい

File.113

「堺少女歌劇団」プロジェクトリーダー、「スズヤ」代表取締役

おくもと ゆうすけ

奥元 裕典さん [大阪府堺市在住]

公式サイト: http://www.sakai-shoujokagekidan.com/

プロフィール

1964年 堺市出身
1986年 関西大学卒業
1991年 5年間の会社勤めを経て、家業の時計・基金属販売店「スズヤ」に
2012年 堺東まちなか逸品バル「ガシバル」の実行委員に 現在も奮闘中
2013年 「堺少女歌劇団」発足に向けて、プロジェクトリーダーに決定

 

「堺少女歌劇団プロジェクト」いよいよ発進―――

 

「戦前ここ堺にあった『大浜少女歌劇団』を、もう一回復活させたら面白いんちゃうか――」
そんなふとした一言が大きくふくらみ、堺市と堺東の各商店街、そしてあの吉本興業がタッグを組むという、ワクワクするようなプロジェクトは始まった。

 

そしてそのリーダーとして、皆を引っぱるのが堺東駅前商店街協同組合の副理事長、奥元さん。
「9月の劇団結成までもうちょっと。それまでに選考試験、発表、二次募集…とやることは山積みで、何をどうすればいいのか今は不安だらけなんです」

 

毎日のように仕事の合い間をぬって、チームのメンバーたちと知恵をしぼっての会議、会議…
「僕は昔から何か新しいことを始める、起ち上げるのが大好きな人間なんです。だから問題は山積みでも、いつか堺の“顔”やっていってもらえるように、この劇団を育てていきたい」

吉本興業社長のひとことから生まれた少女歌劇

そもそも少女歌劇復活のアイデア、どこから生まれたものなのか――
 
「堺市が発行する『sakaist』って情報誌があるんですが、そこで竹山修身市長と吉本興業の大﨑洋社長が対談したのがキッカケやったんですよ」
 
大崎氏といえば、あのダウンタウンらトップ芸人を一から育てあげたことで有名なアイデアマン。彼もまた堺生まれの堺育ちで、対談のなかで「もう一回堺に、かつての少女歌劇を復活させてみたいなあ」と語ったひとことが、このプロジェクトにつながったというのだ。

 

まるでおとぎ話のように、戦前大人気だったという「大浜少女歌劇団」。

 

当時大浜公園は温泉、水族館…とさまざまな施設が建ち並び、「浪速の摩天楼」とまで言われたレジャーランドだったんだとか。
そのひとつとして登場したのが少女歌劇で、宝塚歌劇と二分するほどの人気を誇ったものの、室戸台風で大浜公会堂が打撃を受け、ステージを失った彼女らはやむなく解散。活動期間十年という、短命に終わったのだという。

 

もう一度この少女歌劇を復活させたい、堺の町を元気にしたい――
いったん走り出した思いは、みんなを巻き込み、大きな夢に姿を変えていく。
 
だが、これを行政だけでやるのではオモシロ味がない。
そこで「市民の手でやってみないか」と、ちょうど地域活性化の道を探っていた堺東駅前商店街の組合のメンバーのもとにこの話が来たのだ。レッスン場も商店街の空きスペース。女のコたちが通って来るだけでも、ムードは明るく一変するはず。
さらにそこへ芸能界を知り尽くす「よしもとクリエイティブ・エージェンシー」が加わり、そのノウハウを提供することで、夢は一気に現実へと歩き出したのだ。

 

少女たちの夢をゆっくりはぐぐみたい

今、とにかく地方がアツい。
「AKB48」が芸能史を塗りかえるほどの人気アイドルグループとなって以来、各地でご当地アイドルが、雨後の竹の子のように増え続ける。
その数やなんと400を超えるというから、アイドル戦国時代といえるのかもしれない。
 
この過熱ブームの真っただ中に誕生しようとしている「堺少女歌劇団」、さて戦略はいかに――
 
「ダンス、声楽などのレッスンを週二回ずつ、基礎からしっかりやって才能を育てていきたいんです。堺はじっくりと本物を作る気質を持つところ。この町ぐるみで、ゆっくり大事にはぐくんでいきたい。その先に、ひとりでも二人でもTVやCMで活躍できる、そんなコが出てきてくれれば…」と、即席アイドルというよりも、あくまで本格派を狙うスタンスのよう。
 
さらに公演では、「堺が生んだ歌人・与謝野晶子の作品を取り上げたりと、地元色も出していきたい。古くからあるものを現代風にアレンジして、『誰もが知っている、でも新しい』を目指しているんです」
 
もともと彼は、おらが商店街を元気にしたいと、数年前からさまざまなイベントを企画しては、交渉や準備に走り回ってきた。
 
毎年開かれる「堺東まちなか逸品バル」通称「ガシバル」もそのひとつ。購入したチケット1枚で、商店街の好きなお店の居酒屋メニューを楽しめるというもので、この8月でもう6回目。回を追うごとに参加者は増え、地域とのつながりも深くなった。
 
「それでも昔と比べると、やっぱり元気がなくなってる気がします。天王寺にわざわざ行かんでも、こんな美味しいものが、こんな近くにあるんやって知ってもらえれば、リピーターは自然に増えると思うんです」
 
そしてもちろんこの「堺少女歌劇団」が成功すれば、堺東駅前が賑わうことは間違いない。
 
「天使すぎる!」と話題になり、今大注目の橋本環奈だって、もとはといえば福岡の地元アイドルグループ「Rev.fromDVL」のメンバー。今やどの事務所も、地方アイドルの原石探しに躍起になっているのだ。
 
いつかここから、AKBを超えるアイドルだって、女優だって誕生するかもしれない。そう思うと記事を書いている私までワクワクしてくる。

<2014/5/28 取材・文/花井奈穂子 写真/ 小田原大輔>