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い〜とこみっけ!

Spot.003 貝塚市立 善兵衛ランド(大阪府貝塚市)

「青空の向こうに星を覗こう」

 

プラネタリウムじゃなくて本物の星を昼間から見ることができる。
それが貝塚市の山手にある「善兵衛ランド」。
天文台からは瞬く小さな光から巨大な太陽の素肌まで観察OK。
今回はとてつもなく広大な宇宙に改めて感動を覚えた一日をご紹介します。

■岩橋善兵衛とはどんな人?
最初に名前の由来になった江戸時代の科学者岩橋善兵衛について少しだけ説明しましょう。
寛政五年(1793年) に当時としては日本一優秀な望遠鏡を作った善兵衛は、約250年前に貝塚市脇浜新町で生まれました。もともと手先が器用で頭脳も明晰。メガネの玉磨きで独立し、メガネ職人として生計を立てながらオランダからの渡来品の研究を重ねていました。その後、京都で勉学に励み、同じような仲間と親交を深め、科学者への道も歩むこととなりました。
やがて竹筒を使った望遠鏡や日時計、晴雨計、エレキテルなどを製作し、当時盛んになった天文学や、社会生活の発展に大いに貢献しました。あの伊能忠敬が日本地図を作製する際用いた望遠鏡も善兵衛が作ったものとか。
科学者でもあり技術者でもあり商人でもあった善兵衛の望遠鏡は性能も製作数も他を圧倒し、幕府、紀州藩、彦根藩などの諸大名、江戸、大坂を主とする科学者、愛好家に大人気。
その後、善兵衛が亡くなったあとも望遠鏡の製作・販売は明治時代まで続き、現在も時計・貴金属の販売店として心斎橋で営業を続けています。

■大阪府一の望遠鏡

少し難しい説明のあとは実際に館内を回ってみましょう。
何といっても善兵衛ランドの楽しみは星の観察。しかも、天気が良ければ夜はもちろん、昼間でも星の観測が可能。少々曇っていても太陽の黒点やプロミネンスを見ることができます。
観測室に入ると目の前にはデンと据え付けられた府下最大の口径60cmニュートン・カセグレン式反射望遠鏡(集光力7300倍、分解能力0.193秒、極限等級15、7等級)。視野が広いニュートン式と拡大率の高いカセグレン式の両方を活かしたタイプだそうです。
職員さんがコンピュータで天体の様子を確認すると、施設のシンボルでもある6.5メートルドームがゆっくり開き、その後は手動で位置を調整します。

まず 見せていただいたのが太陽。燃え盛る炎のようなプロミネンスが感動的です。
その次は38光年先にある牛飼い座のα星。「38年前の光が今、届いているわけです」という説明に、頭では分かっていても奇妙な気分。(あの光が発した時、自分は何をしていたんだろう)
なんて考えると、しみじみとした気分に浸ってしまいました。
星の様子はモニターにも写し出され、大勢の人が同時に観測することもでき、長く伸びた延長接眼装置や車椅子リフトで小さな子どもやお年寄り、体の不自由な方も大丈夫。一人だけの観測でも職員の方が親切に案内説明してくれるので、安心して宇宙を覗くことができます。

■貴重な資料を一挙公開

岩橋善兵衛の偉業については先に記しましたが、展示室にはゆかりの資料が多数展示されています。

まずは台付きブロンズの岩橋善兵衛座像。主旨年表パネル。善兵衛作の望遠鏡である、窺天鏡(大阪市立博物館所蔵・複製)一閑張り製望遠鏡、大中小計3本。天体の位置関係や南中する宿星、月の位置、潮の干満が一目で分かる平天儀。平天儀の解説書である平天儀図解など、複製、原物、関係パネルを含め、貴重な資料が盛りだくさん。星座の名前や線引きもいわゆる西洋式ではなく、中国式なのもおもしろい発見。岩橋善兵衛がどれだけ天体や宇宙に想いをはせていたかが分かります。

■本物の星を見よう

「善兵衛ランド」 は公共公開天文台ネットワークに参入し、日本の国立天文台他、公共公開天文台、ハワイのすばる望遠鏡の資料、NASAやアングロ・オーストラリア天文台など世界中から情報を受けまた発信し、その天体画像約5000点以上をコンピュータで見ることができます。

ですから、子どもたちや一般の大人はもちろん、専門家や研究家も訪れ、その数、年間で約15000人。専門の職員さんが個人の来館者にも案内、説明してくれるの素晴らしい施設でありながら入館、観測は一切無料。屋上で使用するために小型の望遠鏡(口径10cm屈折望遠鏡10台、口径5cm脚付双眼鏡10台、口径10cm20倍大型双眼鏡1台)も用意され、手軽に星空を観測することもできます。

これからの季節、キンと冷えた夜空に満点の星がきらめきます。太陽系惑星や衛星以外の光は数十年、数百年、数千年から数万年かかってたどり着いたもの。
そして、きらめく星のひとつひとつが実は燃えさかる火の塊だという事実。それが悠久の時間の向こうにある空間に浮かんでいる姿を想像するだけで、とてつもなく雄大な気分に浸ることができ、落ち込んでいたり、悩んでいても簡単に解消できるような気がします。本物の星を見ることは最大の癒しなのかもしれません。

                                            (取材・文/歯黒猛夫)

 

※ 2003年10月発行 「泉州の最強ランチ本」より抜粋。 掲載のデータなど当時のものです。

貝塚市立 善兵衛ランド(ぜんべいらんど)
貝塚市三ツ松216番
TEL:0724-47-2020

【開館時間】 日・月・火/9:00〜17:00  木・金・土/9:00〜21:45

【休館日】  水曜日(祝日の場合は開館。翌日休館)・年末年始

【交 通】   南海本線貝塚駅で水間鉄道に乗り換え、三ヶ山口駅下車徒歩5分


★詳細はHPをご覧ください★
http://www.city.kaizuka.osaka.jp/zenbe/index.htm

★キットプレスでも紹介ページがあります★

http://www.kit-press.com/navi/le/zenbe/index.html

 




<2F展示室>

かなり貴重なものもあります



< 電動星座早見盤 >
日付と時間を入力するとその時の星座のようすがわかる



子供たちは星空に興味津々



太陽のプロミネンスは感動的!



2F展示室は岩橋善兵衛ゆかりのものがたくさん



寛政五年に当時としては日本一優秀な望遠鏡を作った岩橋善兵衛


各階フロアーごとはバリアフリー。
但し1F〜2F及び2F〜天体ドームの階移動は要介助

   
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